第19回 卒業制作展 学生インタビュー(4)
「道の駅 くのう」
海老岡夏希さん (環境デザインコース)
「道の駅 くのう」
海老岡夏希さん (環境デザインコース)
常葉大学造形学部では、2023年1月27日(金曜日)~29日(日曜日)の日程で、第19回卒業制作展を開催いたします。卒業制作展へ向け、毎日作品と向き合っている4年生に卒業制作に関するインタビューを行い、連載記事として掲載することとなりました。
環境デザインコースからは、「道の駅 くのう」の模型を設計・制作した海老岡夏希さんにインタビューをしました。海老岡さんの静岡にかける思いや制作までの道のりなどをお伺いしています。
環境デザインコースからは、「道の駅 くのう」の模型を設計・制作した海老岡夏希さんにインタビューをしました。海老岡さんの静岡にかける思いや制作までの道のりなどをお伺いしています。
静岡を賑わいのある地域にしたいという思い
自身の作品について語る海老岡さん
海老岡さんは20年以上清水で暮らし、温暖な気候や自然豊かで過ごしやすい土地など、その魅力をなにより大切にしています。しかし、静岡では年々人口の流出が問題化され、若者が県外へ出てしまっているのが現状です。そこで、若者にも静岡の魅力を知ってもらい、地元を盛り上げたいという思いでこの「道の駅 くのう」を制作しました。
「静岡の魅力は、何よりも自然豊かで暮らしやすいことだと感じています。その魅力を生かせるような立地をもとに、観光スポットのようについ寄り道したくなる、街を支えられる道の駅をコンセプトにしています」
海老岡さんは卒業制作にあたり、「道の駅」がどういった場所なのかを知ることから始めました。山梨県などの近場で行ける道の駅は実際に足を運んだものの、現在はコロナ禍もあり、あまり遠くに行けないという問題がありました。インターネットで事例を調べてさまざまな道の駅の良いポイントをまとめたり、以前旅行の際に立ち寄った道の駅を思い出したりするなど、これまでの経験や知識を活かすことが出来たと話してくれました。
「静岡の魅力は、何よりも自然豊かで暮らしやすいことだと感じています。その魅力を生かせるような立地をもとに、観光スポットのようについ寄り道したくなる、街を支えられる道の駅をコンセプトにしています」
海老岡さんは卒業制作にあたり、「道の駅」がどういった場所なのかを知ることから始めました。山梨県などの近場で行ける道の駅は実際に足を運んだものの、現在はコロナ禍もあり、あまり遠くに行けないという問題がありました。インターネットで事例を調べてさまざまな道の駅の良いポイントをまとめたり、以前旅行の際に立ち寄った道の駅を思い出したりするなど、これまでの経験や知識を活かすことが出来たと話してくれました。
制作した模型
景観づくりと災害時に期待される役割
作品の舞台として想定しているのは、穏やかに広がる駿河湾といちご農園のビニールハウスの間にあり、日本平や久能山東照宮も近い場所です。山も海も両方見ることができ、この地域ならではの景観を伝えることができるイメージです。景観を楽しめることはメリットですが、海が近いことは災害時に課題が出てきます。
「駐車場とテラスの広さが災害時に役立つポイントです。久能海岸沿いの車通りの多い道に建てることを想定しているので、駐車スペースを広く設計することでより多くの方が避難できるようになっています。また、3階まで高さが6mあるので、屋上に人が集まりやすいことも災害時のポイントになります」
指導教員の土屋先生からは、「普段から道の駅として利用できるだけでなく、津波の際は避難タワーとしての役割も担っています。ハザードマップで見ると、この敷地は10分以内で津波が到達し、想定高さは3m程度。地震時にこの建物にいる人と、このそばの道路を走っている自動車がすぐに逃げ込める場所となる想定ができます」との補足がありました。選んだ立地は海が近く、災害時には津波の来る地域。「道の駅 くのう」は、さまざまな観点から、人々の拠り所となるような綿密な設計がされていました。
「駐車場とテラスの広さが災害時に役立つポイントです。久能海岸沿いの車通りの多い道に建てることを想定しているので、駐車スペースを広く設計することでより多くの方が避難できるようになっています。また、3階まで高さが6mあるので、屋上に人が集まりやすいことも災害時のポイントになります」
指導教員の土屋先生からは、「普段から道の駅として利用できるだけでなく、津波の際は避難タワーとしての役割も担っています。ハザードマップで見ると、この敷地は10分以内で津波が到達し、想定高さは3m程度。地震時にこの建物にいる人と、このそばの道路を走っている自動車がすぐに逃げ込める場所となる想定ができます」との補足がありました。選んだ立地は海が近く、災害時には津波の来る地域。「道の駅 くのう」は、さまざまな観点から、人々の拠り所となるような綿密な設計がされていました。
設計図による解説
模型という表現方法
実は制作に入るまでに時間がかかったという海老岡さん。今回の制作で苦戦したことや、そのうえで楽しめた部分をお聞きしました。
「模型自体は授業で作ったことがありますが、今回のような作り込んだ模型は初めてだったので、手探りで一から作っていくのが難しかったです。雰囲気も大事にしたかったので、色合いや素材に何を使ったらいいのかを調べて作るところが苦労しました。その分、何も決まってないからこそ、自分で試して『あ、これいいかも!』っていういろいろな発見が何より楽しかったですね」
「模型自体は授業で作ったことがありますが、今回のような作り込んだ模型は初めてだったので、手探りで一から作っていくのが難しかったです。雰囲気も大事にしたかったので、色合いや素材に何を使ったらいいのかを調べて作るところが苦労しました。その分、何も決まってないからこそ、自分で試して『あ、これいいかも!』っていういろいろな発見が何より楽しかったですね」
海老岡さんと指導教員の土屋和男先生。作品と一緒に撮らせていただきました
模型という表現方法を選び、色合いや素材まで拘り抜いた、海老岡さんならではの作品になっているように感じました。ぜひ細部まで、その魅力や思いを感じ取っていただきたいです。海老岡さん、土屋先生、貴重なお話をありがとうございました!