第20回 卒業制作展 学生インタビュー(3)
「 寄り装う〜和小物が繋ぐ思い出と小さなコミュニティ」
八木涼平さん(デジタル表現デザインコース)
「 寄り装う〜和小物が繋ぐ思い出と小さなコミュニティ」
八木涼平さん(デジタル表現デザインコース)
常葉大学造形学部では、2024年1月26日(金曜日)~28日(日曜日)の日程で、第20回卒業制作展を開催いたします。卒業制作展へ向け、毎日作品と向き合っている4年生に卒業制作に関するインタビューを行い、連載記事として掲載することとなりました。
撮影した当時の様子を語る八木さん
卒業制作の作品で和小物を取り扱うきっかけや理由
「もともと和小物が好きで、3年生の時に取材対象者の深澤さんと一緒にリメイクのワークショップイベントをやらせてもらいました。その時に着物や帯をバックや服、スマホケースなど、今の若者でも身にまとえるような身近なものにリメイクしていてそれが面白いと思いました。また、深澤さんの製作活動の拠点が瀬名キャンパスのすぐ近くの工房であることも興味深いと感じ、半年かけて取材してみようと思ったことがきっかけです。」
深澤さんというリメイク作家との出会いのきっかけは学外活動のイベントでした。そして深澤さんの活動拠点が造形学部のある瀬名キャンパスに近い場所だったことも驚きだったと語ってくれました。
深澤さんというリメイク作家との出会いのきっかけは学外活動のイベントでした。そして深澤さんの活動拠点が造形学部のある瀬名キャンパスに近い場所だったことも驚きだったと語ってくれました。
深澤さんの映像と作業について解説をしてくれる八木さん
撮影をしていく中で変化する自分や取材対象者との信頼関係
「最初はリメイクを中心に焦点を当てた映像を作ろうと考えていました。また、静岡市は職人の街なので、「ものづくり」を瀬名で行う作家の活動として取り上げたいと思っていました。メインは若年層の方に和小物のリメイクを知ってもらうことと普段あるものを捨てずに活用できるという魅力を狙いすぎない程度に入れたいというのも当初考えていた構成でした。
しかし取材を進めていくうちにそれは変わりました。深澤さんは、リメイクの教室もやっており、瀬名に住む近所の人たちが参加しています。そこで和小物を作り上げていく人たちが居て、そこにやって来る人たちの繋がりや関係性の変化みたいなものを映像として取り上げたいという感じでコンセプトが変わりました。」
リメイクというとリユースなどのエコ活動やSDGsがテーマの作品になってしまいます。しかし八木さんは、和小物を通じて生まれるコミュニティに着目しました。密着取材を続けていくうちにコンセプトが変わり、撮影対象も変わったとのことです。そして取材者として撮るだけでなく、積極的に会話をすることでお客さんとも打ち解け、自分自身もコミュニティに入り込むことができたと語ってくれました。
しかし取材を進めていくうちにそれは変わりました。深澤さんは、リメイクの教室もやっており、瀬名に住む近所の人たちが参加しています。そこで和小物を作り上げていく人たちが居て、そこにやって来る人たちの繋がりや関係性の変化みたいなものを映像として取り上げたいという感じでコンセプトが変わりました。」
リメイクというとリユースなどのエコ活動やSDGsがテーマの作品になってしまいます。しかし八木さんは、和小物を通じて生まれるコミュニティに着目しました。密着取材を続けていくうちにコンセプトが変わり、撮影対象も変わったとのことです。そして取材者として撮るだけでなく、積極的に会話をすることでお客さんとも打ち解け、自分自身もコミュニティに入り込むことができたと語ってくれました。
映像の確認をする八木さんと指導教員の洞口先生
指導教員の洞口先生から八木さんに対して
「初期の映像では、リメイク作家である深澤さんも撮られている感があり、八木君も撮影している感があった。しかし、最近の収録映像では良い意味で八木君が空気になっていると思う。撮られているという“ぎこちなさ”やカメラ目線という意識がなくなって、深沢さんがカメラの向こうにいる八木君に向かって自然に話してくれる。それくらい心を許してくれている。そうした現場の空気や意識、会話などの変化を見逃さず、しっかりと収録しているのは凄いことです。よくそこまで密着しているなって思います。深沢さんとの間には“信頼関係”というか“良き理解者”というようなものを感じるし、それを八木君は自分1人で作り上げてきている。それは本当に冗談抜きで感動します。後はこのドキュメンタリーを“映像作品”として、完成度を上げるために必要な密着映像以外の追加素材(例えば、動画の導入部分の風景や時間経過、感情、季節感などを表現するようなシーン)をどうするかですね。全体の流れを意識しながら何を撮影して、どこに挿入していくのか。実際に作品の冒頭では、広い静岡市の風景から始まり、そこから段々と瀬名地区にズームしていく構成にしているので、八木君もそういったことは同時に考えているし、そういうシーンの重要性は良くわかっています。他にも字幕やテロップを入れたり、音声を入れたりと編集作業も大変になってくるので撮影すれば終わりってわけじゃないとこが映像制作の難しい部分だと思います。」
指導教員である洞口先生が、この作品で面白いと思っているポイントは、時間経過と共に少しずつテーマやコンセプト、作品の印象が変化していく部分や八木さんと深澤さんの取材者とリメイク作家という2人の関係性がどんどん変わっていく部分とのことです。また八木先輩がインサート映像(メイン映像のほかに補足で使われる映像)として瀬名地区を見下ろしている映像を見せていただきました。映像では取材映像だけでなく、素材として必要な映像もあります。そのため山登りを行い、苦労して撮ったものだと語っていただきました。
指導教員である洞口先生が、この作品で面白いと思っているポイントは、時間経過と共に少しずつテーマやコンセプト、作品の印象が変化していく部分や八木さんと深澤さんの取材者とリメイク作家という2人の関係性がどんどん変わっていく部分とのことです。また八木先輩がインサート映像(メイン映像のほかに補足で使われる映像)として瀬名地区を見下ろしている映像を見せていただきました。映像では取材映像だけでなく、素材として必要な映像もあります。そのため山登りを行い、苦労して撮ったものだと語っていただきました。
記事制作を通して
八木さんの卒業制作は実際に足を運び続け、密着取材を行い深澤さんやお客さんとの会話をしながら映像を撮影している部分に、リアリティーが詰め込まれていると感じました。そこから、ドキュメンタリー映像作品に対する八木さんの熱量も伝わってきました。取材当時は編集中であり、どのような作品に仕上がるのか大変気になる内容でした。卒業制作に懸ける想いや貴重な経験談を伺うことができ大変勉強になりました。