家庭教育を「判断力・想像力」を養う足場作りの場に
新型コロナウイルスの影響による休校の長期化により、子ども達の学習の遅れが深刻化している状況を、マスコミが報じています。そのため、改めて、家庭教育の重要性を実感されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今だからこそ、実行して頂きたい家庭教育の在り方について述べることにします。
現代、大人が決めた時間を慌ただしく生きる子ども達の姿を見ることは決して珍しいことではありません。小学生でも、習い事や塾通いが忙しく、広場で友達と遊ぶ時間や、自分が興味を持ったことに対して夢中になって打ち込む時間が無くなっていると言われます。その結果、何をするのも指示を待って行動する受け身な姿勢や、大人が承認することが正しいことで、承認されたこと以外は行動しない子ども達が増えています。また、言われたことを言われた通りにするのが大事だと思っている大学生に遭うと、危機感を抱きます。このような考え方から生活習慣を身に付けた子ども達には、今こそ、自分の時間を豊かに生きるチャンスが到来していると捉え、ポジティブに過ごして欲しいと願っています。
そこで、保護者の方へ、今だからこそ実行して頂きたい子ども達との接し方を2点提案します。
1点目は、保護者とお子さんとが一緒に生活のルール(決まり)を作ることです。子ども自身が決めたルールであれば、それを守る責任を子ども自身は持っています。もし、ルールを変えたくなったら、何かしらの交渉「これまでのルールだとここで困るけれど、新しいルールにするとこう改善できる。」というように、子ども自身の認識の変化を表現させて、アイデアを考案できるようにするのです。大事なのは、この機会に、「自身でルールを決めるが、もっと、よくできると判断したら交渉する」という経験を積むことです。
2点目は、自分が夢中になれる対象を発見する機会にすることです。子どもたちは好奇心が旺盛です。ですから、自分の時間が持てると認識することで、夢中になる対象をすぐに発見し、行為します。例えば、カブトムシやクワガタが好きな木やその環境を探すといったことです。それを知るために、昆虫の生態を本で読んだり、実際に身近な森林を探検したりして、自分が納得する答えを得るために探究したいと考えるはずです。そして、その過程で、何かを発見したり、納得する答えに辿り着いたりしながら、人に伝える為に文字や絵で表現するのです。その時、気を付けたいのは、表現の上手いや下手などの評価は絶対にしないことです。そして、お爺ちゃんやお婆ちゃん、また知人や友達でもよいので、発表の場(人と関わる機会)を設けるようにして下さい。そこで、フィードバック(褒められる、関心を持ってもらう、質問を受ける)されることによって、夢中になって取り組んだ自分の探究が、他者を感動させたり関心を持ってもらったりした、等という「自己有能感」を得ていくのです。
現実社会では、「新型コロナウイルスによる感染拡大」「地球温暖化による気温上昇」等、今迄に誰も経験していない、人類の生存に関わる社会的な問題に直面しています。また、身近な人との関係調整や状況判断では、矛盾や葛藤という個人的な問題に遭遇します。そして、これらの問題の解決には、唯一絶対の「正解」はありません。ですから、アイデアを考案したり、大人と交渉したり、探究したりすることは、すべて「未来を生き抜く力」となり、自分を支えるだけではなく、社会との関係の持ち方を学ぶ機会となるのです。
現在の家庭教育は、「正しい生活習慣」「正しい学習習慣」を身に付けさせることに焦点化しがちです。もちろん、基本的な習慣を養うことも大切ですが、今こそ家庭での過ごし方の一部を見つめ直すことによって、子ども自身が、「判断力・創造力」を養う契機となります。そして、今まで以上に、家庭教育を豊かにして頂ければと願っています。
現代、大人が決めた時間を慌ただしく生きる子ども達の姿を見ることは決して珍しいことではありません。小学生でも、習い事や塾通いが忙しく、広場で友達と遊ぶ時間や、自分が興味を持ったことに対して夢中になって打ち込む時間が無くなっていると言われます。その結果、何をするのも指示を待って行動する受け身な姿勢や、大人が承認することが正しいことで、承認されたこと以外は行動しない子ども達が増えています。また、言われたことを言われた通りにするのが大事だと思っている大学生に遭うと、危機感を抱きます。このような考え方から生活習慣を身に付けた子ども達には、今こそ、自分の時間を豊かに生きるチャンスが到来していると捉え、ポジティブに過ごして欲しいと願っています。
そこで、保護者の方へ、今だからこそ実行して頂きたい子ども達との接し方を2点提案します。
1点目は、保護者とお子さんとが一緒に生活のルール(決まり)を作ることです。子ども自身が決めたルールであれば、それを守る責任を子ども自身は持っています。もし、ルールを変えたくなったら、何かしらの交渉「これまでのルールだとここで困るけれど、新しいルールにするとこう改善できる。」というように、子ども自身の認識の変化を表現させて、アイデアを考案できるようにするのです。大事なのは、この機会に、「自身でルールを決めるが、もっと、よくできると判断したら交渉する」という経験を積むことです。
2点目は、自分が夢中になれる対象を発見する機会にすることです。子どもたちは好奇心が旺盛です。ですから、自分の時間が持てると認識することで、夢中になる対象をすぐに発見し、行為します。例えば、カブトムシやクワガタが好きな木やその環境を探すといったことです。それを知るために、昆虫の生態を本で読んだり、実際に身近な森林を探検したりして、自分が納得する答えを得るために探究したいと考えるはずです。そして、その過程で、何かを発見したり、納得する答えに辿り着いたりしながら、人に伝える為に文字や絵で表現するのです。その時、気を付けたいのは、表現の上手いや下手などの評価は絶対にしないことです。そして、お爺ちゃんやお婆ちゃん、また知人や友達でもよいので、発表の場(人と関わる機会)を設けるようにして下さい。そこで、フィードバック(褒められる、関心を持ってもらう、質問を受ける)されることによって、夢中になって取り組んだ自分の探究が、他者を感動させたり関心を持ってもらったりした、等という「自己有能感」を得ていくのです。
現実社会では、「新型コロナウイルスによる感染拡大」「地球温暖化による気温上昇」等、今迄に誰も経験していない、人類の生存に関わる社会的な問題に直面しています。また、身近な人との関係調整や状況判断では、矛盾や葛藤という個人的な問題に遭遇します。そして、これらの問題の解決には、唯一絶対の「正解」はありません。ですから、アイデアを考案したり、大人と交渉したり、探究したりすることは、すべて「未来を生き抜く力」となり、自分を支えるだけではなく、社会との関係の持ち方を学ぶ機会となるのです。
現在の家庭教育は、「正しい生活習慣」「正しい学習習慣」を身に付けさせることに焦点化しがちです。もちろん、基本的な習慣を養うことも大切ですが、今こそ家庭での過ごし方の一部を見つめ直すことによって、子ども自身が、「判断力・創造力」を養う契機となります。そして、今まで以上に、家庭教育を豊かにして頂ければと願っています。
執筆者 木村光男
教育学部初等教育課程 准教授
(専門は生活科教育、総合的な学習の時間)
教育学部初等教育課程 准教授
(専門は生活科教育、総合的な学習の時間)