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福田半香 山水図


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福田半香
1804-1864 (文化元-元治元) 年

山水図

1834(天保5) 年
紙本墨画、軸装、4幅
各161.4×81.0 ㎝



福田半香は遠州見附(現在の磐田市見附)の出身。はじめは勾田台嶺に師事し、後に渡辺崋山に師事した。半香は山水画を得意とし、基本的には江戸で活躍した。水墨山水画を多く残しているが、若いときと晩年とではその表現技法が大きく変化した。若いときは細部にいたるまで描写したが晩年にいたると大胆なタッチで描いた。
この作品は四枚の襖であったものを掛幅装にしたものである。山水景観を水墨で描き、福田半香「浅絳山水図」にはわずかに代赭と淡い藍色を加えている。「浅絳山水図」とはこのように代赭と淡藍を施したものをいう。両図を比較して見ると本図が穏やかな山水を点描を主として描いているのに対し、「浅絳山水図」は細筆でゴツゴツした山々や樹木を描いている。いずれも若い半香が心血を注いだ山水画の傑作と言ってよいであろう。

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