福田半香
1804-1864 (文化元-元治元) 年
1804-1864 (文化元-元治元) 年
高士観瀑図
1856(安政3) 年
絹本着色、軸装、1幅
各179.5×66.0 ㎝
1856(安政3) 年
絹本着色、軸装、1幅
各179.5×66.0 ㎝
日本の南画は中国にあこがれることから始まったと言ってよい。このようなことから画題としては中国の漢詩や故事に取材する場合がほとんどである。描かれる人物建物いずれも中国風である。この図は画面左下の高士つまり人格が高潔で節義を重んじる人物が右上の滝を見つめているところを描いたもので、一般的にこのような図は中国の詩人・李白が廬山の滝を詠った「廬山の瀑布を望む」の詩を画題としたものである。
日は香炉を照らして 紫煙を生ず
遥かに看る 瀑布の前川を掛くると
飛流直下 三千里
疑うらくは 是れ銀河の九点より落つるかと
(『漢詩のイメージ』大修館書店)
画面左上に「安政三季丙辰正月元旦、援筆、至十二日始成半香福田佶」とあり、安政三年(1856)正月元旦から筆を援(と)り十二日に完成したとある。