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常葉大学ビジネスチャレンジ 第9回高校生ビジネスプランコンテストを開催/経営学部


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2月6日(土曜日)に予定していた第9回高校生ビジネスプランコンテスト発表大会は、新型コロナウイルス感染拡大により対面による実施から動画による審査に代替し、スケジュールを次のように変更して開催しました。

動画による審査スケジュール
2月03日(水曜日)動画の受付締切り
2月09日(火曜日)審査の集計
2月10日(水曜日)審査結果の発表

本年度は静岡県内16高校(249名)から、「ビジネスプランの部」49作品、「調査・研究の部」16作品の応募がありました。1次審査を通過したチームについて、「ビジネスプランの部」は、①実現性、②市場性、③地域性、④独創性、⑤プレゼンテーション発表力、⑥夢を感じ取れたかの6項目。「調査・研究の部」は、①問題意識の明確さ、②調査・研究の充実度、③プレゼンテーション表現力の3項目で厳正な審査を行いました。
「ビジネスプランの部」グランプリに輝いた県立伊東商業高等学校チーム米ックス4班は、「温泉地の廃材木材が親子の絆を救う」というテーマで、スギやヒノキなどの加工品から出る残余の木片を利用した「魚釣りゲーム」の制作と販売に取り組んだものでした。木片にはリラックスさせる効果があり、幼児は楽しく遊べ、家事・育児で疲れが取れない人をリラックスさせるというもので、すでにこの事業を実践している点も高く評価されました。準グランプリを獲得した同校の米ネックス3班は、伊東市内に点在する空きオフィスを有効活用するためのマッチングサービスを考えたものでした。同市には情報関連企業がほとんどないことから、県外の大学に進学した学生のUターン就職も可能になるというプランでした。
「調査・研究の部」グランプリに輝いた静岡大成高等学校放送部は、静岡市駿河区の中島地区と長田南地区の2つの地域で住民を対象に行った「南海トラフ巨大地震に係わる津波災害に関する意識調査」をもとに、津波発生時の避難行動に関する問題点と解決策を提案したものでした。特に、収容定員がわずか150人の津波避難タワーであるにもかかわらず、ここに避難すれば大丈夫と多くの人が考えており、これでは逆に犠牲者を増やしてしまうという指摘には説得力がありました。準グランプリを獲得した県立川根高等学校は、災害発生時は学校が重要な役割を果たすという問題意識から出発し、避難所運営で最も困るのは高齢のトイレであるという結論に至りました。そこで、教室の机やいす、段ボールやビニール袋などを利用した簡易トイレの開発に取り組みました。
今大会の大きな特徴は、発表大会進出10チームのうち4チームを県立伊東商業高等学校が占め、さらに「ビジネスプランの部」のグランプリと準グランプリを独占したことです。同校では商業科の「課題研究」という授業のなかに「生活に役立つ経済学」というクラスを設け、地域に密着した問題解決型の学習を進めていますが、その成果が遺憾なく発揮されているといえます。
最後に、前回の第8回大会からコンテストを「静岡県内高校生の学習成果の発表と交流の場」と位置づけ、静岡県内の高校に学習成果を発表する機会を提供し、高校生が相互に交流できる場になることを目指して開催・運営してきました。このことが徐々に高等学校に理解され、回を重ねるごとに応募作品のレベルが上がってきていると実感しています。今後さらに、このコンテストが静岡県の高校教育に不可欠なものとなるよう充実・発展に努めたいと考えています。次回10回大会は、さらに参加校が増えることを期待しています。

ビジネスプランの部

部門 高校名・チーム名
グランプリ 静岡県立伊東商業高等学校
チーム米ックス4班
「温泉地の廃棄木材が親子の絆を救う!!」
(街おこし部門)
準グランプリ
(浜松いわた
信用金庫賞)
静岡県立伊東商業高等学校
チーム米ックス3班
地域活性化につながる新たなサテライトオフィスの提案
(街おこし部門)
入選 静岡県立伊東商業高等学校
チーム米ックス1班
with 廃棄率! with コロナ!
(街おこし部門)
入選 静岡県立伊豆総合高等学校
夢の国を作ろうチーム
修善寺温泉 夢の国計画
(街おこし部門)
入選 浜松学芸高等学校
浜松学芸高校社会科学部地域調査班
方言ポスタープロジェクト~やっぱ遠州弁だら~
(街おこし部門)
※入選はプログラムの発表順です(成績順ではありません)
審査の講評今年度のビジネスプランコンテストは、コロナウイルス感染症蔓延という異常な状況の中開催されました。直前になり映像でのプレゼンテーションへ切り替えが行われたため、参加された高校生の皆さんには、多くの負担をかけることになりました。そんな中でも、優れたビジネスプランを考え、プレゼンテーションしてくださった皆さんに、改めてお礼を申し上げます。
提出された5チームのビジネスプランはいずれも優れており、審査をした先生方の中でも意見が分かれていました。そのような中で5チームについて評価がされ7名の審査員の評価点総計から、決定がされています。今回参加チームのビジネスプランに共通した特徴は、地域性、実現性、夢を感じ取れるの3点で、高い評価を得ている点です。評価の点差はわずかなもので、いずれも優れたプランになっています。
これからも地域を見つめ、ビジネスプランを考え、実現するという夢を持ち、地域経済の発展に目を向けるように頑張っていただきたいと思います。
(ビジネスプランの部審査委員長 経営学部特任教授 芦澤成光)

調査・研究の部

高校名・チーム名 タイトル
グランプリ 静岡大成高等学校
静岡大成高等学校放送部
静岡市駿河区沿岸部における津波災害に係わる意識調査の実施について
準グランプリ
(遠州信用金庫賞)
静岡県立川根高等学校
川根高校「地域創造」
車イスの高齢者が使いやすい避難所トイレの開発
入選 静岡県立吉原高等学校
吉原高校国際科2年
災害時にも多文化共生社会を維持するために高校生が担うべき役割
入選 静岡県立伊東商業高等学校
生活に役立つ経済学チーム米ックス2班
未利用魚に新たな価値を!!
入選 静岡県立静岡農業高等学校
静岡県立静岡農業高等学校松葉研究班
松葉から分離した乳酸菌の可能性について
※入選はプログラムの発表順です(成績順ではありません)
審査の講評高校生の皆様、本年度も常葉大学ビジネスプランコンテストに多数ご応募いただき、誠に有難うございました。今回は新型コロナウイルス感染拡大により、皆様にはコロナ禍での調査活動や発表準備など、これまでにない環境下での研究活動に大変ご苦労されたことと思います。改めまして、応募された皆様に厚くお礼を申し上げます。
今年度の「調査・研究の部」には、9校16件の応募があり、厳選の結果、最終審査には5件が残りました。さすがに最終審査まで残るだけあり、この5件は、どれも甲乙つけ難く、まさに1点を争う接戦でしたが、今回は、調査・研究というジャンルの特性から、発表内容の論理的展開に重点をおいて審査いたしました。この中で1件のみ取り上げて講評するならば、優勝した静岡大成高校放送部の発表は、アンケート調査により問題意識を明確にした上で、実地調査を通してその確認を行い、問題となる原因に関する仮説を立てそれを検証するなど、研究発表の展開は論理的で大変明解でした。また、プレゼンテーション資料の見やすさ、発表方法なども、審査員の高評価を得るものであったと思います。
さて、昨年からのコロナ禍は、私たちのこれまでの生活様式を一変させました。しかし、コロナ禍は私たちが過去の習慣に囚われず、より良い社会や自然環境のために、どんな小さなことでもためらわず実践し、評価し、そして改良することの大切さを教えてくれました。これからは、過去の習慣にとらわれない高校生が主役となり、お互いに協力して知恵を出し合えば、郷土静岡県はもっと元気になっていくはずです。今後とも、このビジネスプランコンテストへの新たな挑戦を期待しています。
(調査・研究の部審査委員長 経営学部特任教授 鈴木治)

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