年末年始にかけて静岡市清水区の創建1900年目にあたる草薙神社に、令和5年の干支「卯(うさぎ)」の絵馬が設置されました。これは造形学部による地域貢献活動として、今年で3年目になります。絵馬は総檜造りで高さ2m、幅1.5mです。合津ゼミの活動の一環として、2年生のゼミ生10名が11月中旬よりデザインを考え制作しました。
絵馬は、草薙神社1900年祭に合わせて、年内は設置されています。
絵馬は、草薙神社1900年祭に合わせて、年内は設置されています。
1.絵馬のデザイン・コンセプトについて
・草薙神社の特色である「草薙剣」、駿府の国の神社、日本武尊とともに創建1900年にあたる癸卯(みずのとう)年の祝いの思いを、ゼミの先輩たちが提案した、草薙神社1900年祭に関連するヤマトタケルのアニメ的なキャラクターをメインにまとめること。
・従来の絵馬の表現を継承しながら、新しい絵馬デザインの価値観を提案すること。
・すべての人や世代に伝わることができる伝統と革新の融合を図ること。
・「干支(えと)」の兎、卯年とその考えのもとになる「陰陽五行思想」について調べ、令和5年は「癸卯(みずのとう)」の年を絵馬のデザインに反映させること。
「干支(えと)」とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせた60通りの干支(かんし)からなるものです。そのことから来年は、十干の10番目にあたる「癸(みずのと)」と、十二支の4番目にあたる「卯(う)」の組み合わせで、十干十二支では40番目にあたる「癸卯(みずのとう)」の組み合わせです。
陰陽五行説では、「癸」が水の陰のエネルギーを表し、「癸」は雨や露、霧など、温かく穏やかな大地を潤す恵みの水を表しています。十干の最後にあたる「癸」は、生命の終わりを意味することもありますが、次の新たな生命が成長し始めている状態を意味しています。また「卯」が木の陰のエネルギーを表します。「卯」は穏やか兎の様子から安全、温和の意味があります。また、兎のように跳ね上がるという意味があり、卯年は何かを始めるのに縁起がよく、希望があふれ、景気が回復し好転する良い年になると言われています。
令和5年「癸卯」の年は、「癸」と「卯」の組み合わせから、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年になると言われています。
このようなことをデザイン・イメージとして考えと願いを込めて、駿府の国の草薙神社として、ヤマトタケルと「草薙の剣」、富士山、そして新年の慶び、めでたさを融合させることを考えました。
先ず信仰対象でもあり、おめでたい象徴として日輪と富士山を入れ、絵馬の中心上部に「創建1900年」を祝うための文字を配置しました。1900年の重々しさと恒久性を強調するために、日本古来の文様から文字周りの装飾を施しました。また「癸」の水のエネルギー源としての雲と空からの恵みとしての水のエネルギーを青系でまとめ、さらに水面に映る逆さ富士により「水」の印象を強調させ、木地の風合いと上部の日輪や紅白梅の古木の暖色系と対比さて、絵馬の印象のコントラストを強くし全体を明るい印象の絵馬にまとまました。この鮮やかで明るい印象は、兎の穏やかさと飛び跳ねる軽快さを想像させる効果として考えました。
干支の兎は、はじまりや希望をイメージした白兎とし、子兎を含め三兎としました。ヤマトタケルに抱えられた白兎は、特に穏やかさと安全・安心な様子として表しました。たたずむ大地は、草が生える穏やかさ表し、ゆったりとそして堂々と腰を下ろした安心感に満ちたヤマトタケルをイメージさせました。
木のエネルギーと新たな生命の成長、そして新春の慶びと祝いの樹木として、古木の梅の木に満開の紅白梅の花を描き表現しました。絵馬全体の色のバランスから紅梅を多く配置し、青系の寒色と赤系の暖色のバランスに配慮しました。
・従来の絵馬の表現を継承しながら、新しい絵馬デザインの価値観を提案すること。
・すべての人や世代に伝わることができる伝統と革新の融合を図ること。
・「干支(えと)」の兎、卯年とその考えのもとになる「陰陽五行思想」について調べ、令和5年は「癸卯(みずのとう)」の年を絵馬のデザインに反映させること。
「干支(えと)」とは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせた60通りの干支(かんし)からなるものです。そのことから来年は、十干の10番目にあたる「癸(みずのと)」と、十二支の4番目にあたる「卯(う)」の組み合わせで、十干十二支では40番目にあたる「癸卯(みずのとう)」の組み合わせです。
陰陽五行説では、「癸」が水の陰のエネルギーを表し、「癸」は雨や露、霧など、温かく穏やかな大地を潤す恵みの水を表しています。十干の最後にあたる「癸」は、生命の終わりを意味することもありますが、次の新たな生命が成長し始めている状態を意味しています。また「卯」が木の陰のエネルギーを表します。「卯」は穏やか兎の様子から安全、温和の意味があります。また、兎のように跳ね上がるという意味があり、卯年は何かを始めるのに縁起がよく、希望があふれ、景気が回復し好転する良い年になると言われています。
令和5年「癸卯」の年は、「癸」と「卯」の組み合わせから、これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年になると言われています。
このようなことをデザイン・イメージとして考えと願いを込めて、駿府の国の草薙神社として、ヤマトタケルと「草薙の剣」、富士山、そして新年の慶び、めでたさを融合させることを考えました。
先ず信仰対象でもあり、おめでたい象徴として日輪と富士山を入れ、絵馬の中心上部に「創建1900年」を祝うための文字を配置しました。1900年の重々しさと恒久性を強調するために、日本古来の文様から文字周りの装飾を施しました。また「癸」の水のエネルギー源としての雲と空からの恵みとしての水のエネルギーを青系でまとめ、さらに水面に映る逆さ富士により「水」の印象を強調させ、木地の風合いと上部の日輪や紅白梅の古木の暖色系と対比さて、絵馬の印象のコントラストを強くし全体を明るい印象の絵馬にまとまました。この鮮やかで明るい印象は、兎の穏やかさと飛び跳ねる軽快さを想像させる効果として考えました。
干支の兎は、はじまりや希望をイメージした白兎とし、子兎を含め三兎としました。ヤマトタケルに抱えられた白兎は、特に穏やかさと安全・安心な様子として表しました。たたずむ大地は、草が生える穏やかさ表し、ゆったりとそして堂々と腰を下ろした安心感に満ちたヤマトタケルをイメージさせました。
木のエネルギーと新たな生命の成長、そして新春の慶びと祝いの樹木として、古木の梅の木に満開の紅白梅の花を描き表現しました。絵馬全体の色のバランスから紅梅を多く配置し、青系の寒色と赤系の暖色のバランスに配慮しました。
2.デザインと絵・図について
・草薙神社ということで、ゼミの先輩たちは、古事記に登場するヤマトタケルと草薙の剣にまつわる話を中心にデザイン全体をまとめられました。しかし干支が兔ということで、穏やかで優しさにあふれた絵馬にしたいと考え、敢えて落ち着いた図柄のデザインとしました。
・「癸」と「卯」の関係は、「水生木」の「相生」と呼ばれる組み合わせです。これは水が木を育み、水がなければ木は枯れる。つまり「癸」が「卯」を補完し生かす関係だと考えました。つまり「寒気が緩み、萌芽を促す」、厳冬が去り春の兆しが訪れたことを表している理解しデザインを考えました。これまで積み重ねてきた自身の力が試される年でもあるため、最後まで諦めずに希望を持ち続けることが道を開く鍵になるという思いでもあります。ただし、「過ぎたるは及ばざるが如し」というで、「癸」と「卯」の関係は、「水生木」であるから、適度な水は木を育むが、水のやりすぎは根腐れを起こします。「適切」という戒めのために、己を映し出し確認する行為を子兎が草薙剣に映る様子で表現しました。
「癸卯」という言葉は、既に春の兆しは始まっていて、これからは今まで培われた実力が試さられる局面に入ったことを指し示しているということです。したがって、コロナ禍という地球規模の厳しい状況に見舞われ、私たちは真の人間力を試され続けています。この状況を乗り越え、明るく平和な世界が訪れる年になることを信じる願いを「癸卯」の年に込め全体をまとめた図柄としました。
・静岡の象徴である富士山と新年を祝う植物として「紅白梅」を中心に描きました。干支の「卯」との相性も良く、何よりも紅白の梅は縁起が良く、新春とはじまりの象徴としての意味合いで描きました。さらに神社のイメージとして「謹賀新年」を御朱印風に描き表現しました。全体の絵画的バランスをとり、暖色の赤系の絵具により描かれた部分は、絵馬を見る人の眼が、絵馬全体をめぐるように、視覚的な効果を利用しました。この手法により、絵馬全体に描かれたモチーフがバランスよく融合し、富士山とヤマトタケルを三角形にまとめ安定した構図に仕上げました。
また、平面的な表現に遠近感を与えるために、富士山と紅白梅、ヤマトタケルの関係に葛飾北斎の富岳三十六景などで使われた伝統的な遠近法でもある、ものの大小の違いの組合せによる遠近表現で表しました。
・「卯」の木のエネルギーを補うために、梅の古木の枝ぶりを利用して隠し文字として「卯」の字を入れてみました。
・「癸」と「卯」の関係は、「水生木」の「相生」と呼ばれる組み合わせです。これは水が木を育み、水がなければ木は枯れる。つまり「癸」が「卯」を補完し生かす関係だと考えました。つまり「寒気が緩み、萌芽を促す」、厳冬が去り春の兆しが訪れたことを表している理解しデザインを考えました。これまで積み重ねてきた自身の力が試される年でもあるため、最後まで諦めずに希望を持ち続けることが道を開く鍵になるという思いでもあります。ただし、「過ぎたるは及ばざるが如し」というで、「癸」と「卯」の関係は、「水生木」であるから、適度な水は木を育むが、水のやりすぎは根腐れを起こします。「適切」という戒めのために、己を映し出し確認する行為を子兎が草薙剣に映る様子で表現しました。
「癸卯」という言葉は、既に春の兆しは始まっていて、これからは今まで培われた実力が試さられる局面に入ったことを指し示しているということです。したがって、コロナ禍という地球規模の厳しい状況に見舞われ、私たちは真の人間力を試され続けています。この状況を乗り越え、明るく平和な世界が訪れる年になることを信じる願いを「癸卯」の年に込め全体をまとめた図柄としました。
・静岡の象徴である富士山と新年を祝う植物として「紅白梅」を中心に描きました。干支の「卯」との相性も良く、何よりも紅白の梅は縁起が良く、新春とはじまりの象徴としての意味合いで描きました。さらに神社のイメージとして「謹賀新年」を御朱印風に描き表現しました。全体の絵画的バランスをとり、暖色の赤系の絵具により描かれた部分は、絵馬を見る人の眼が、絵馬全体をめぐるように、視覚的な効果を利用しました。この手法により、絵馬全体に描かれたモチーフがバランスよく融合し、富士山とヤマトタケルを三角形にまとめ安定した構図に仕上げました。
また、平面的な表現に遠近感を与えるために、富士山と紅白梅、ヤマトタケルの関係に葛飾北斎の富岳三十六景などで使われた伝統的な遠近法でもある、ものの大小の違いの組合せによる遠近表現で表しました。
・「卯」の木のエネルギーを補うために、梅の古木の枝ぶりを利用して隠し文字として「卯」の字を入れてみました。