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第1回しずおか高校生探究学習発表大会を開催しました/経営学部


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2023年2月4日(土曜日)浜松キャンパストコハホールにおいて、経営学部主催の第1回しずおか高校生探求学習発表大会を開催しました。当日は約80名(発表者・引率教員・大学教員・学生スタッフのほか、近隣高校の生徒など)の参加がありました。応募総数59作品の中から本学経営学部教員による厳正な審査を経て、第一次審査を通過した10チーム(発表大会直前に辞退があったため9チーム)による発表大会となりました。本大会の大きな特徴は、高校生が日頃から授業などを通じて行っている探求学習の発表の場にしたことです。昨年度まで全10回実施してきた「高校生ビジネスプランコンテスト」では、「ビジネスプランの部」「調査・研究の部」の2部門を設けていましたが、今大会の目的は、社会問題や地域の課題に対し、高校生の視点で問題意識を持ち探求した内容を発表するというところにありました。したがって、応募された作品のテーマも多岐にわたり、それぞれの高校生の身近な問題点についてフレッシュな視点で考えられたものが多く見られました。

審査は、①問題意識の明確さ、②調査・研究の充実度、③プレゼンテーション発表力、④質疑応答、の4項目で評価が行われ、グランプリ(1チーム)と準グランプリ(2チーム)、特別賞と奨励賞が各1チーム選ばれました。
グランプリは静岡県西遠女子学園高等学校の発表でした。「情報社会を生きる力」をテーマに探求がなされ、インターネットの普及によって情報があふれた時代における情報の中立性の意義や、情報に対する私たちのあるべき姿が検討されていました。目的意識の明確さや、実際に科学館を訪れたり、研究者に調査した実践的な活動が評価されました。
準グランプリ(浜松いわた信用金庫賞)は静岡県立川根高等学校による発表でした。地域の問題として「他出子」(進学や就職その他の理由で地元から出ていった子供のこと)をテーマとし、自身達を「他出子予備軍」と捉えて探求したものでした。地方からの人口流出を止めるという視点ではなく、一度流出するであろう「他出子予備軍」がどうすれば地元に帰省したくなるか、という視点で研究されたもので、研究手法の巧みさや地元・自分自身の問題として課題研究がなされていた点が評価されました。
準グランプリ(遠州信用金庫賞)は浜松学芸高等学校による発表でした。磐田市における野生動物の交通事故について調査したもので、種族による事故地の違いや交通量との関係に言及した発表でした。こちらも身近な問題の調査にあたって、磐田市から提供された資料を基に検討が重ねられている点やプレゼンテーションの技術が評価されました。どのチームの発表も自分の身近な問題に着目していたこと、プレゼンテーションが優れていたこといたところが共通点でした。審査結果は以下の通りです。
参加校一覧 12校
静岡県立池新田高等学校 静岡県立伊豆総合高等学校土肥分校 加藤学園高等学校 静岡県立川根高等学校 静岡県西遠女子学園高等学校   
静岡大成高等学校 静岡県立駿河総合高等学校 東海大学附属静岡翔洋高等学校 浜松学芸高等学校 静岡県立袋井商業高等学校
富士市立高等学校 静岡県立富士宮西高等学校

第1回しずおか高校生探求学習発表大会審査結果


審査の講評

昨年までのビジネスプランコンテストに代わり今年度から、探究学習発表大会がスタートしました。多くの応募があり厳正審査の中から、10の発表が1次審査を通過し、本大会での発表が行われる予定でした。しかし残念ながら、1チームの参加が断念され全部で9チームの発表が行われました。
審査は7名の審査員によって、各人40点満点での評価を行うことになりました。審査基準は以下の4点です。問題意識の明確さ、調査・研究の充実度、プレゼンテーション発表力、そして質疑応答の4項目です。それぞれの基準ごとに10点満点での評価が行われました。その結果1位のグランプリを受賞したチームの西遠女子学園高等学校は、221点の最高点を獲得しました。また、2位準グランプリの川根高等学校は219点、同じく3位準グランプリの浜松学芸高等学校は215点と僅差での受賞となりました。9チームでの同点チームはありませんでしたが、いずれも優れた発表であったと言えるでしょう。
今後も様々な身近な疑問、課題を自ら五感で感じ取り、独自の調査を行い、独自の視点からその因果関係を考えてみてください。また問題解決も試行錯誤をしながら、優れた解決策を追及することが大切です。社会には多くの課題が山積していますが、それを発見し、原因を明らかにし解決に積極的に取り組み、より良い未来の静岡を皆さんで創造していただきたいと思います。

審査委員長 経営学部 特任教授 芦澤 成光

生徒の皆さんの感想(上位入賞チーム)

■グランプリ 静岡県西遠女子学園高等学校 健次郎’s

私は今回の「しずおか高校生探究学習発表大会」を通じて、私たちが課題とした「情報社会を生きる力」を探究・発信することで,探究学習の面白さを知りました。私たちは,企画書づくりから始まり、パネルディスカッション、取材、そして話し合いの繰り返しをしながら,課題を掘り下げていきました。「情報」というテーマは、抽象的で目に見えない上、常に私たちの身近にあるものゆえに,人によって意見も様々と、他人に説明する点でとても苦労しました。私たち自身も、この探究をする前までは、メディアの情報を過信して、インターネットの利便性に頼りすぎていたと感じています。その点で、今回の研究は、私たちに実際の生活の中で,情報の真偽を問うという意識をもたらし、より発展していくであろう情報社会での「情報」とのつきあい方を学ばせてくれました。探究の過程では、情報の分野を研究なさっている大学教授やAIを導入している地元企業の生の意見を聞きにいったり,グループで何度もディスカッションを重ねたりしました。私たちが最も大切にしてきたことは,取材やディスカッションの中で、「へえ,そうなんだ」で終わるのでなく、行動に繋げるということだったと感じています。
発表大会当日は、教授の方々からご意見をいただいたり、他のチームの探究学習の進め方や提案をお聞きしたりして,そこから自分たちの足りなかった部分を考察することができた,とても貴重な機会を頂いたことに感謝しています。今回培った知識や思考を,よりレベルアップした形でこれからの学生生活に生かしつつ,さらに学びを楽しんでいきたいと思います。(2年:深田結美 牧野瑞樹 松下千鈴 吉井彩夏)
■準グランプリ(浜松いわた信用金庫賞) 静岡県立川根高等学校 他出子予備軍

この度は準グランプリという輝かしい賞に選出していただき、ありがとうございました。このような賞をいただき大変光栄です。私たちグループでは、地元を離れた人が戻ってきたいと思う要因は何かについて、他出子論の立場から探究しました。この探究を進める中で、川根本町役場への聞き取りや、川根高生へのアンケート調査を実施し、考察を深めた結果、辿り着いた結論は「自分の中で楽しみの自己強化ループを回すこと」でした。一年間探究を進め、研究の方向性で迷った時や、台風15号の影響で現地フィールドワークへ行けないなど大変な時もありましたが、多くの人の協力もあり、ここまで辿り着けたのだと思います。現在、日本のあらゆるところで若者の人口流出が問題視されています。今回の発表大会では、質疑応答の際に専門性の高い質問や意見もいただきましたが、私たちの探究が少しでも多くの人の役に立てばと思っています。
最後になりますが、今回発表大会に参加して、私たちの探究はさらに深まりました。今後もこの大会にもっと多くの高校が参加してくれることを心より望んでいます。この度は本当にありがとうございました。(3年:柴田健利 鈴木愛菜 西澤柊斗 渡邊舞)
■準グランプリ(遠州信用金庫賞) 浜松学芸高等学校 科学部

ネコのロードキルが殺処分数の10倍もあるという新聞記事は、大変ショックでした。この新聞記事から着想を得て、動物たちを助けられないかと活動を始めました。市役所にアポイントをとって訪問し、事情を説明して資料を収集し、表計算ソフトに入力し、分析した後、パワーポイントにまとめ上げる作業は大変でした。更に、ロードキルについて知らない人たちに、分かりやすく伝える技術まで求められました。ネコの交通事故死が、人口密度の高い街中で多いことをグラフで明確に示すことができたときにはうれしさと共に、ロードキルをどうにかしたいという思いがより強くなりました。今回、ステージ上で発表をし、質問・意見をもらうことができ、多くの貴重な体験をすることができました。今まで、私たちは校内での発表経験しかありませんでした。初めての外部での発表であり、緊張や不安で練習通りにいきませんでした。特に、質疑応答のとき、質問に対して誰がどう答えるかでスムーズに進めることができず、的確に応答できなかったことが反省点です。単に、台本通りに発表するだけではなく、事前に質問内容を予測したり、研究に対する様々な角度からの幅広い知識を身につけておくことの大切さを痛感しました。外部からの指摘で、自分たちでは気づかなかった問題点や見落とし点への理解を深めることができました。また、他校の発表を聞くことで、視野を広げることができたと思います。いずれも研究内容に加えて、発表技術が高く、説得力があり、感心しました。今回の発表大会での反省点を改善し、他校の良かったところを取り入れて、今後の研究に活かしていきたいです。(1年:山川美咲 窪園悠花 渋谷美澪)
■特別賞 静岡県立袋井商業高等学校 田2

・この探究を通して、社会問題に対する意識がより一層深まりました。本番前から長い時間をかけ、たくさんの調べものをしたり、考えたことを実際に行動に移したりして、とても良く、深い探究ができたと思います。十分間の発表ということでしたが、練習では、十分を超えてしまったので、大事な部分を残しつつ台本を削るのが一番大変でした。また、自分達で特産物を使った食品ロスの削減レシピを考えるには楽しかったです。発表大会の本番では、九分にベルを一回鳴らしてくれたため、あとどれくらいの速さで話したら良いかを考えることができ、十分以内に発表することができました。この発表の中で一番緊張したのは、質疑応答でしたが、審査員や他の学校の方の質問を落ち着いて答えることができました。今まで、大きな会場で発表したことがなかったので緊張しましたが、他のグループの発表を聞いて、考えを深めることができ、良い経験になりました。(2年女子)
・私たちの生活・暮らしの中での問題点を私たち高校生がいちから解決策を考えて、それを探究していくものでした。問題点を調べていくことで、私たちの暮らしは便利なものになっていますが、その中には、問題点も多くあり私たちの身近にあるものばかりでした。私たち高校生が、その問題点を完全に解決することは、限りがあり、難しいものだと思います。ですが、私たち高校生だからできるものがあったり、考えることができたりしたのではないかと思います。実際に探究学習を行ったことによって、前よりもひとつの問題に対してより深く知ることができ、そこから新たな発見がありました。他のチームも実験を通し、より分かりやすくまとめたり、実際に話を聞いたりしていました。今回の探究で得たものはすごく大切なものだと思います。今後もその探究を継続していきたいと思います。この大会に参加できたことは、貴重なものだと思います。(2年女子)
■奨励賞 富士市立高等学校 FUJIチャレンジ

私は、富士市を若者がチャレンジしやすいまちにするため、若者・市役所・商店街の三者が連携するチャレンジショップを提案しました。高校生活三年間、富士市立高校の魅力の1つである課題解決型の探究学習「究タイム」に積極的に取り組んできました。地域の課題や魅力を見つけ、関連する情報を集め、情報を整理・分析し、自らの考えをまとめて、プレゼンするというサイクルを重ねてきました。地域の方に実際にお話を伺うことも多く、今回の探究でも、市役所の方や地元のNPO法人の方などに富士市の現状や課題についてお話を伺いました。また、ビジネス部という部活動の中で学んだことも取り入れながら、課題を自分事化し、探究学習をすすめました。今回、まちづくりについてだけでなく、富士市の未来について改めて考えるきっかけになりました。当日、他に1人で取り組んでいるチームがなく、トップバッターだったということもあり、とても緊張しました。ですが、これまで取り組んできた探究学習の総まとめとして堂々と発表することができたと思います。また、探究内容を深掘りする質問をしていただき、新しい課題や方向性を見つけることができました。他のグループの方々の発表を聞き、地域の現状や地域が抱える課題に向き合った色々なテーマがありとても勉強になりました。身近な問題や興味のある問題に疑問をもち、高校生ならではの視点で、調査や分析を重ねていくことの必要性と可能性を感じました。印象に残るプレゼンにするための工夫も他校の発表から学ぶことができました。この発表会で、日本、静岡の未来について高校生の頃から考えるべきだと改めて思いました。私も、多様な価値観や時代の変化を敏感に捉え、柔軟な発想力を身に付けていきたいです。また、目の前の課題や現状に目を向け、解決策へと導けるようになりたいです。(3年女子)

第1回しずおか高校生探求学習発表大会プログラム


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