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ブラジル現代文学『曲がった鋤』が出版されました/江口佳子准教授


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本書はブラジルで2019年に出版されたイタマル・ヴィエイラ・ジュニオール(Itamar Vieira Junior)の『曲がった鋤』(Torto Arado)の翻訳です。東京外国語大学大学院 武田千香教授との共訳で、ブラジル独立200周年の記念事業の一環として、駐日ブラジル大使館の助成を受けて、水声社より出版されました。

物語は、ブラジル北東部バイーア州の奥地シャパーダ・ジアマンチーナを舞台としており、大土地所有者に雇用されている農場労働者で、アフリカ出身の奴隷子孫の一家を中心に物語が展開します。ブラジルの奴隷制度は1888年に廃止されましたが、現代にも残る隷属的な社会構造や、黒人共同体の記憶とアフロブラジル宗教が、女性の視点を通して描かれています。

本作品は、2018年に未刊の作品に贈られるポルトガルのレヤ賞、2020年にブラジル国内で最高の文学賞とされるジャブチ賞やオセアーノス賞を受賞し、これまで19か国(2022年7月時点)で翻訳されています。

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