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第17回 卒業制作展 学生インタビュー(2)「赤い芳一」


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第17回 卒業制作展 学生インタビュー(2)
「赤い芳一」

杉浦百々加さん(アート表現コース 4年)

第2回目の取材は、「紅い芳一」という空間すべてを使ったインスタレーション作品を制作した杉浦百々加さんです。作品の魅力や、「耳なし芳一」を題材にした理由などを伺うことができました。


「紅い芳一」という作品

自身の作品について楽しそうに話す杉浦百々加さん

これまで様々な分野に興味をもって挑戦してきた杉浦さん。今回のインスタレーション作品では自身で物語を作ったり、声優を目指している友人に物語を読んでもらったりするなど新しいことに挑戦しています。4年間の集大成ともいえる作品「紅い芳一」を制作するにあたり、どんな思いがあったのでしょうか。

インスタレーション作品「紅い芳一」は
空間全体が作品となっています。写真はその一部

「3年生の時、このまま4年生になって卒業制作をやるのだったら絵画と立体どちらで進めていけばよいのか分からなくなっていました。悩んだ末、夏に芸術断食をしてみたんです、夏休みを全部使って。長い芸術断食の結果、自然と両方やってみようという気持ちが生まれてきました。
芳一をテーマにしたのは、昔からおばあちゃんやおじいちゃんにこういう話があってねと聞かされて生きてきた感じがあったので、幼い頃の懐かしさ、そして物語の怖さを自分なりに表現できたらと思ったのが理由です」
「紅い芳一」は制作者の大学生活が大きく反映された作品です。掃除が苦手な杉浦さんの意外な一面、自身が今まで蓄えてきた技術面、学んできたことの応用が渾然一体となった作品となっています。指導教員の磯﨑えり奈先生によると、杉浦さんはおおらかでふわりとしていて、一緒にいて楽しい人だということで、そういった制作者の人柄がどう作品に現れているかも見どころとなっています。



ヘルメスのように旅人として

卒業制作展ポスターのメインビジュアルは杉浦さんが制作しました。その制作意図についても伺いました。
「神話のヘルメスをモチーフにして描きました。ヘルメスの言葉には旅人という意味が含まれています。卒業後には私たちも旅人としていろんなところを飛び回っていこうという思いを意識して、メインビジュアルを制作しました」
杉浦さんの個性的なイラストレーションにあふれたポスターには、これから更に飛躍することを意識した、4年生への思いが込められており、メッセージ性があるように感じました。

(画像クリックで拡大します)



卒業制作展、その先に

一年間ともに歩んできた、磯﨑えり奈先生と杉浦さん

「私の作品が卒業制作展の来場者にどう受け止められるのかを知りたいです。そこから得られる気付きを新たな学びとしてとらえて、これからもがんばっていきたいと思っています」

作品制作が佳境に入っている一方で、杉浦さんの目はすでに次に向いています。卒業制作展のあと、ヘルメスのように飛び立ち、その先でどのような表現活動を行っていくのか、今後が楽しみですね。杉浦さん、ありがとうございました。

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