認定栄養ケア・ステーションを
静岡県で初めて開設
管理栄養士として病院に勤務していた頃、在宅医療や在宅介護のことを勉強する中で、在宅に関わる栄養士がまだまだ少なく、医療や介護に栄養が大切なこともあまり知られていないと気づきました。地域で生活する方々の栄養管理をする場が必要だと考え、2020年4月に静岡県初の「認定栄養ケア・ステーション」を開設しました。認定栄養ケア・ステーションとは、地域の皆様が気軽に栄養ケアの支援・指導を受けることができる拠点として日本栄養士会から認定されている施設。食や栄養を通じて健康で充実した生活を送れるようサポートしています。
適切に栄養を取ることは身体をつくり健康に生きるためにはとても大切ですが、薬と違って即効性がないため軽視されがちです。栄養士が情報発信を行うことで、もっと興味を持ってほしい。様々な職種とも連携し、地域の皆様がいつまでも元気に住み慣れたお家で過ごせるようお手伝いをしています。
印象的だった実験の授業
仲間と共に挑んだ国家試験
子どもの頃からよく料理をしていた私。母から栄養士という仕事があることを教わり、高校の先生からは、4年制大学に行けば管理栄養士の受験資格まで取れるからと勧められて、常葉大学に進学しました。
大学で印象的だったのは実験の授業です。クラスのみんなと楽しくコミュニケーションしながら、いろいろな実験をしました。塩味濃度の違いを当てる実験をしたり、卓上食塩を1瓶追加摂取した時の尿を調べたり、ラットにいろいろな種類の餌を食べてもらったり。社会人では経験できないような実験もあれば、社会に出てからも役立つ実験もありました。
国家試験の前には、仲の良かった同級生たちと勉強を頑張りました。一緒に頑張る仲間がいたから、試験にも合格できたと思っています。
地域に栄養士がいることが
当たり前になってくれたら
食べることは人生の楽しみの一つであり、適切な食べ方ができれば治療やリハビリに良い効果をもたらし、薬の減量にもつながります。さらに長い目で見れば、医療費削減だけでなく社会保障の継続にも寄与することができます。
介護を受けている方が住み慣れたお家で元気に今の生活を続けられるためのサポートや、人生に食べ忘れがないよう希望を叶えるための支援をする一方、介護をする方々に対しても負担や不安を軽減できたらいいですね。栄養管理をきっかけに、体調不良や入院する方が減ってほしいと思います。そのためには食や栄養に興味を持つ方がたくさん増えて、地域に栄養士がいるのが当たり前になってくれたら嬉しいです。