避難勧告地区 未想定8割/重川希志依教授
社会環境学部の重川希志依教授のコメントが、朝日新聞に掲載されました。
以下、11月5日(火曜日)朝日新聞の記事です。
避難勧告地区 未想定8割 土砂警戒区域抱える市町村
土砂災害で住民に被害が出る可能性のある土砂災害警戒区域がある市町村のうち、避難勧告を出す際の対象地区をあらかじめ想定していない自治体が8割近くにのぼることが、国土交通省の調べで分かった。
国交省は2007年、土砂災害警戒区域がある市町村に対し、町内会や自治会などの範囲に区分けして、避難勧告を発令する際の対象地区を事前に設定するよう通知した。
国交省によると12年末時点で警戒区域のある1141市町村のうち、856市町村で対象地区を決めていなかった。対象地区は、自治会や消防団などの意向を踏まえて決めるが、土砂災害の兆候がつかみづらいことや、一人で避難できないお年寄りの支援態勢が整わないことなどが理由という。
国交省は「地区ごとに同じタイミングで避難すれば、逃げ遅れにも気づきやすく、避難の際の混乱も避けられる」と呼び掛けている。
04年の土砂崩れで死者が出た愛媛県新居浜市は、避難勧告の対象地区をあらかじめ定めた。「危険箇所の範囲を事前に決めておかないと勧告はすぐに出せない」としている。
重川希志依常葉大学教授は、「対象地区を決めておけば、発令前でも住民に危険が迫っていることを知らせることができ、避難準備の助けにもなる」と指摘する。