富士建築士会で講演会が行われました/池田浩敬教授

本学社会環境学部長の池田浩敬教授の記事が、富士ニュースに掲載されました。
以下、3月18日(火曜日)発行の富士ニュースの記事です。

事前復興を考察 ー富士建築士会が講演会ー

一般社団法人富士建築士会は15日、富士市のロゼシアターで「第3回まちづくり講演会」を開いた。
今回は「地震、津波、噴火~私たちに迫る自然災害の危機!その時あなたは生き残ることが出来るか?!最先端の取り組み、事前復興とは」と題し、常葉大学社会環境学部長で同大学附属社会災害研究センター長の池田浩敬教授が講演した。
池田教授は「事前復興の取り組みについて」のテーマで話し、阪神淡路大震災を教訓に東京都が進めた事前復興対策について説明したほか、平成20年度に富士市の吉原商店街で行われた「震災復興まちづくり訓練」を振り返り、その効果を伝えた。
岩手県大船渡市三陸町綾里地区に入り復興支援に携わる中で見えてきた課題についても紹介した。
池田教授は、綾里地区が復興を目指す中で個別の要望がまとまっていても、まち全体をどう考えていくかという視点が不明瞭で住民の合意形成もできていない状況だったことから、2週間に一度のペースで地域に入って住民の合意形成のプロセスに関わった。
池田教授は、大船渡市の事例から見えるキーワードとして

  • 防災だけを特出した議論の危うさ
  • 発生頻度と安全目標レベルに関する社会的合意の必要性
  • 縦割り行政の縛りが選択肢を狭める
  • 防災は行政任せではダメ
を挙げた。
さらに復興計画について「地域産業の復興や住民の利便性など、まちづくり全体に関わるもので、そうしたことを考えつつ、地域として、どの程度の安全を確保していくかという総合的な判断が迫られる。ただ行政からは堤防の高さをどのくらいにするか、というような個別断片的な意志決定を迫られることがある」と伝え、住民が事前に復興まちづくりについて十分に考えておく重要性を訴えた。
このほか講演会では市職員による出張講座・市政いきいき講座も開かれた。市防災危機管理課の太田智久さんが、防災講座「地域の災害を知り、備える」のテーマで話し、富士市で起こり得る災害や県第4次地震被害想定、富士山噴火時の避難計画などについて説明した。
(富士ニュース 2014年3月18日 掲載)