バングラデシュで気象観測を実施中/山根悠介講師
バングラデシュは、インドの東側、ベンガル湾の北に位置する国です。国土の面積は本州の約6割ですが、人口はおよそ1億6千万人と極めて人口密度の高い国です。あまり知られていませんが、バングラデシュは竜巻などの局所的かつ突発的な激しい大気現象(シビアローカルストーム)の世界的な多発地域です。シビアローカルストームによって毎年被害が発生しています。
本年3月に、科学研究費補助金「バングラデシュにおけるシビアローカルストームの高精度構造把握と予測に関する研究」(若手B、本学教育学部山根悠介講師 代表)を受けて、バングラデシュのシビアローカルストームが多発する地域の4地点に自動気象観測システムを設置しました。この観測システムは、気温・気圧・湿度・風向・風速を1分間隔という時間的に極めて高分解能に地上気象要素の変化をとらえることができます。この観測システムによりシビアローカルストームの襲来前から通過に伴う一連の地上気象変動を詳細に把握し、発生メカニズムの理解と予測手法の開発に資する知見を得たいと考えています。