久能山東照宮文化財保存顕彰会で講演を行いました/日比野秀男特任教授

8月31日(日曜日)、久能山東照宮文化財保存顕彰会による同東照宮の会員向けの講演会が開かれ、文化財保護に詳しい本学造形学部の日比野秀男特任教授が「記憶をつなぐ」と題し、一度は失われた文化財を復元によって取り戻した国内外の事例を紹介しました。

第2次世界大戦でナチスドイツに破壊されながら戦後、世界遺産に登録されたポーランドの「ワルシャワ歴史地区」などについて解説。ポーランド人が旧市街のがれきから街を復元した経緯を説明し「復元文化財であるからこそ価値が認められた」と強調しました。国内の事例では、資料によって忠実に復元された神奈川県の「箱根関所」を紹介し、その上で、明治初期まで同東照宮に存在した五重の塔に言及し「久能山に五重の塔があってもよいのではないか」と復元の機運の高まりに期待しました。同顕彰会の会員約70人が耳を傾けました。