第60回日本透析医学会学術総会・総会で講演を行いました/小田巻眞理教授
本学健康プロデュース学部健康栄養学科の小田巻眞理教授が、6月28日(日曜日)に行われた第60回日本透析医学会学術総会・総会のワークショップ「CKD-MBDを巡るKey word: 基礎を踏まえた臨床」で、透析患者における食事中のリンと食品添加物 Dietary phosphorus and food additives in dialysis patientsをテーマに講演を行いました。
以下講演の内容です。
透析患者さんでは、尿中へのリン排泄がないため高リン血症になりやすく、その合併症として二次性副甲状腺機能亢進症と異所性石灰化が惹起される。リン摂取の食事療法としては、たんぱく質1gに約15mgのリンが含まれているため、たんぱく質の過剰摂取は避けるべきだが、過度の摂取制限は栄養状態の悪化及び蛋白合成の低下から筋肉量の減少を招くことが懸念される。そこで、患者さんの血清リン値が正常範囲を超えており、血清アルブミン値が正常値である場合には、リンの過剰摂取の可能性があることから、リン含有量の高い食品やリン/タンパク質比の高い食品は避けることが望ましい。しかし、血清アルブミン値が正常値以下の場合は、食事摂取不足の可能性があるため、バランスが良く、良質なたんぱく質を摂取することが先決である。また、食品の総リンは調理方法によって減少させることができるが、食品添加物として存在するリン酸塩の一つである縮合リン酸は減少しないため、食品添加物の過剰摂取にも注意することが大切である。
発表の中の食品の部分と実験部分には、健康栄養学科の川上栄子准教授も携わりました。