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地域貢献と教育のコラボレーションから、新たな研究課題へ


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浜松市との連携講座にて地域貢献事業に参加しはじめてから8年が経ちました。この講座は、学生の学びを地域社会に還元することを目的に,浜松市内の協働センターにて学生が講師を務める一般受講者向けの講座を開講する取り組みです。

この講座では、私の卒業研究指導を受けている理学療法学科3、4年生が「アクター」、私が「ディレクター」の役割を果たし、地域在住高齢者の皆さんに健やかに歩き続けるためのコツを、一人一人の歩行状態に合わせて紹介しています。講師を務める学生は、毎年、移動能力の基本となる正常歩行について、運動学で学んだ知識、評価学演習で身に着けた検査技術、そして臨床実習で体得した対人スキルを駆使してプレゼンテーションに取り組んでいます。講義⇒計測⇒結果分析⇒結果説明⇒実技指導までを一貫して実施するため、毎回多くの受講者を受け入れることはできませんが、それでも受講者総数は100名に手の届くところまで来ました。

結果分析にて計測データと「にらめっこ」を繰り返す中、「歩幅が狭くなり、歩行速度が低下する」や「不安定となるために、両足の幅を広くとる」といったステレオタイプの加齢変化は意外と目立たないことに驚きました。講座で得られた計測データを大学生と比較しても、快適な速度での歩行には差がほとんど認められません。その背景の一つに、高齢者の皆さんが健康増進を意識した日常生活を送っており、それが加齢変化の先延ばし効果を生んでいる可能性が考えられます。特別な運動を続けることは難しいですが、毎日繰り返される歩行の一部分を一定の間だけ意識して強調するという取り組みであれば、誰でも簡単に継続できると考えます。今まで見落とされていた歩行の可能性にスポットを当て、健康寿命を延ばすための新たな手段を確立することが、現在、私が取り組んでいる課題です。

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