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文学作品は文字だけではない


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文学作品の読み方や解釈は様々だからこそ、私は文学研究者になったとも言える。特に、近年の研究では、本文以外の読み方がますます導入されるようになっており、作品を様々な角度から見直すことが、新しい読み方にもつながってくる。

実際、1年生向けの日本近代文学に関する入門講義(日本文学概説)では、私たちが日常的に読んでいる作品の読み方考えるために、作家が生きていた時代や作品が成り立った状況等をまず踏まえ、そして作品の内容を深く読んでみる。その深い読み方の中心となるのは、昔の読み方よりも、現在の私たちの捉え方だと思う。

近代文学のもう一つの重要な解釈(と私は勝手にそう思っているが)は、作品以外の場や時間における読み方である。例えば、文学作品が「原作」となっているアニメや漫画があげられる。あるいは、「文豪ストレイドッグス」とか、「文豪とアルケミスト」とか……このようなところから文学に入る人も多いし、これは非常に素晴らしい入り口だと思う。また、逆の場合、つまり好きな作家や作品がアニメや漫画に入ったりすることがあると、普段、関わりのない世界に足を踏み出してみることができる。

近代文学は、紙の上に印刷された文字だけではなく、実は、広い世界になっている。

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