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持っている力を信じること


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みなさんは「ウェルネス(wellness)」ということばを見聞きしたことはありますか?看護学生のテキスト看護学概論(医学書院)で「ウェルネス」を牽引してみると、ハルバート=ダン(アメリカの公衆衛生医)が初めて定義した「輝くように生き生きしている状態」1)と説明されています。そこには「ウェルネスは結果ではなく、過程をあらわすもので、個々人がより高いレベルの生活機能を目指して、その行動を強化する方法について知識を深め、実践していくことを示す。」2)とあり、健康をより広くとらえている概念であることがわかります。

私の専門は、女性の一生と女性を取り巻く家族(パートナー)を対象とする母性看護です。ヒトの発生から思春期、成人期、更年期、老年期のライフサイクルにある対象とその家族は身体的、精神的、社会的に大きな変化が生じます。その背景には、生活や暮らし、人生の選択、社会背景など多様であることから、問題だけに着目した解決方法では難しいのが実情です。そのため対象が健康かどうかに関わらず、よりよくなる過程に働きかけるウェルネスと問題解決の双方の視点で対象を捉えることが重要であり、母性看護の実践の醍醐味でもあります。

私が助産師として働いていた時には「女性と胎児・新生児が持つ、産む力、生まれる力、生きる力を信じる」こと、現職の看護教員の立場では「学生が何を感じ考えているのか(悩んでいるのか)、その過程を知り学生の力を信じる」ことを念頭に、学生周囲の人々とよりよい関係を育み、学生の成長過程を支えること大切にしています。「ウェルネス」の概念一つ取り上げても、看護の実践を通して得られた学びが、自身の人生観を豊かにしていることを実感しています。

看護に関心を寄せているみなさん、看護を学ぶことで、その先にあるご自分の人生も輝かせてみませんか。

1)野崎康明:ウエルネスの理論と実践.p.43,メイツ出版,1994.
2)Karen,M. S.著,小西恵美子・太田勝正共訳:健康増進のためのウェルネス看護診断.南江堂,1997.

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