いまや子育ての必須アイテムとしてすっかり定着した感のある絵本ですが、絵本とは一体何でしょう。絵が描いてある本?‥。一見、簡単なようですが、改めて考えるとなかなか難しい問題です。
辞書を引いてみましょう。「絵を主体とした児童用読み物」(広辞苑第七版)とあります。なるほど、いかにもそれらしい説明です。
しかし、よく検討してみますと、この説明に当てはまらないものもあるようです。そもそも、「絵を主体とした」という説明がよくわかりません。どれくらいの絵があれば、「絵を主体とした」と言えるのでしょう。世の中には、絵よりも言葉の面白さを前面に出した絵本や、絵がないことを売りにした"自称"絵本もあります。
また、「児童用」という説明も不可解です。大人にも人気の絵本がありますが、それらも本当は「児童用」なのでしょうか。第一、「児童」とは一体誰のことでしょう。何歳から何歳までを「児童」と考えているのか、この説明だけではわかりません。
実は、絵本についての明確な定義はまだ確立していません。この言葉が、あまりに広汎な概念と多様な可能性を持っているため、ひとまとめにして括ることが難しいのです。とは言え、いまのところ、私は概ね次のように考えています。絵本とは、「絵と言葉の響き合いによって作品世界を構成する表現媒体」です。絵と言葉の響き合いにこそ、絵本ならではの表現の秘密、最大の特性があるのです。
多くの優れた絵本には、私たちが忘れかけている大切な心が描かれており、人生についての深い示唆を与えてくれます。皆さんも私と一緒に、絵と言葉が響き合う絵本の奥深い世界を探求してみませんか。
※保育学部には、認定絵本士養成講座として認可された「絵本論」の授業があります。この科目は、絵本についての知識や技能を高め、感性を磨くことを目的としており、単位を取得すると「認定絵本士」の称号が授与されます。
辞書を引いてみましょう。「絵を主体とした児童用読み物」(広辞苑第七版)とあります。なるほど、いかにもそれらしい説明です。
しかし、よく検討してみますと、この説明に当てはまらないものもあるようです。そもそも、「絵を主体とした」という説明がよくわかりません。どれくらいの絵があれば、「絵を主体とした」と言えるのでしょう。世の中には、絵よりも言葉の面白さを前面に出した絵本や、絵がないことを売りにした"自称"絵本もあります。
また、「児童用」という説明も不可解です。大人にも人気の絵本がありますが、それらも本当は「児童用」なのでしょうか。第一、「児童」とは一体誰のことでしょう。何歳から何歳までを「児童」と考えているのか、この説明だけではわかりません。
実は、絵本についての明確な定義はまだ確立していません。この言葉が、あまりに広汎な概念と多様な可能性を持っているため、ひとまとめにして括ることが難しいのです。とは言え、いまのところ、私は概ね次のように考えています。絵本とは、「絵と言葉の響き合いによって作品世界を構成する表現媒体」です。絵と言葉の響き合いにこそ、絵本ならではの表現の秘密、最大の特性があるのです。
多くの優れた絵本には、私たちが忘れかけている大切な心が描かれており、人生についての深い示唆を与えてくれます。皆さんも私と一緒に、絵と言葉が響き合う絵本の奥深い世界を探求してみませんか。
※保育学部には、認定絵本士養成講座として認可された「絵本論」の授業があります。この科目は、絵本についての知識や技能を高め、感性を磨くことを目的としており、単位を取得すると「認定絵本士」の称号が授与されます。
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