グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



人が幸せになる心理(真理)学


ホーム >  教員コラム >  人が幸せになる心理(真理)学

高校生の時、私は人を幸せにする研究と実践がしたいと考えていました。その後、「(他人を)幸せにする」のは難しいので、「(本人が)幸せに気づく」研究に取り組もうと考えて心理学を学びました。しかし、今の西洋科学は、あまり人の幸せに貢献できていないことを痛感し、心理だけでなく身体と行動も含めた人間全体の真理を追究するため、瞑想法などの東洋の実践科学の研究と実践に40年間取り組んできました。

瞑想法というと、宗教に近くて科学とは関係がないような印象を持つかもしれませんが、今、科学の世界では、根本的な変革であるパラダイムシフトが起きています(吉田民人,2013)。実は、人工知能やロボット工学の発展をもたらしている次世代の情報科学は、その本質が、現在の西洋科学よりも瞑想法などの東洋実践科学に近いのです。普遍的な正解の存在を仮定せず、各自が多様な経験や測定を繰り返して現実データを収集し続け、個人ごと場面ごとに変動する最適解を求め続けることで、その人の幸せ(適応)に役立つ知見を得ることができると考えられています。

熱心なキリスト教徒であったニュートンやデカルトに始まる近代西洋科学は、多様性や変動性に富んだ個々の人間の真理ではなく、唯一の神が創った普遍的な世界の真理を解明することを目的に生まれたものです。そのため現在でも、一般法則やメカニズムの解明が目的とされ、再現性の確認による理論の検証が行われています。複雑な環境要因は統制され、多様な個人差は平均化されてしまうので大雑把な結果しか得ることができず、一人ひとりの人間の幸せに貢献することは難しいのです。

ある人が幸せになるには、専門家などの他人から一般的な正解を教えてもらうのではなく、その人自身が主役となって、自分自身を探究する研究者になる必要があります。私は、皆さんが幸せになるための答えを教えることはできませんが、それを探究するやり方(パラダイム)はわかってきました。常葉大学で、新しい科学と幸せを一緒に探究しましょう。

ページの先頭へ戻る