大学教員に成り立ての頃、論文業績を上げるべく研究室に籠っていた私に、ある先輩教員が、「外に出て、社会と繋がるといいよ」とさりげなく声をかけてくれました。その言葉がマインド・チェンジのきっかけとなりました。それからというもの毎年、学生達の希望によって連携先やテーマを変えながら、共に地域活動に取り組んできました。その過程において、教員としても人としても数えきれないほどの学びと気づきをいただきました。そのおかげで今の私があるといっても過言ではありません。お世話になった地域の方々や教職員、今まで課外活動に参加してくれた学生一人一人に対して、感謝の気持ちと頭が下がる思いで日々を過ごしています。
地域貢献活動の醍醐味についての私見としては、「自己カテゴリーの拡大」です。人は、所属する集団の一員であるという概念を自分の中に取り込みます。あなたは何者であるかと問われたとき、例えば、「私は常葉大学の学生です」とか、「私は〇〇部の部員です」など、アイデンティティと呼ばれるカテゴリーで自己を定義します。大学やアルバイト先のような普段の生活圏を超えたところに活動の場を持つと、地域コミュニティの一員としての私、市民・県民・国民としての私というように、自身と同一化する範囲が活動の影響の規模に応じて広がります。
地域の人々や自然環境の中に自ら入っていくと、自己の意識が拡大し、まるで自分のことのように大切にできる対象範囲が広がるのです。そして、それは、徳を高めることにも繋がります。徳のある人は、自分だけ得すればいいとか、自分さえよければあとはどうでもいいなどとは考えません。自分のために生きながらも、他のためにも生きることができます。その「他」の部分がどれくらいの範囲なのかが、その人の器の大きさとも言えます。さらに、紙面の関係でここでは詳しく述べられませんが、この「自己カテゴリーの拡大」は、私の研究テーマでもある「意見や価値観における対立の協調的解決」にも役立つのです。
常葉大学の教育理念は「知徳兼備」・「未来志向」・「地域貢献」の3本柱です。一番目に掲げられた理念の中の「徳」の部分をどのように教育していくかについては、三番目の実践にヒントがあると考えられます。今後も、学科の専門性を生かしながら応用力を磨く地域貢献活動を通して、学生達と共に学び、知徳兼備に努めたいと思っています。
地域貢献活動の醍醐味についての私見としては、「自己カテゴリーの拡大」です。人は、所属する集団の一員であるという概念を自分の中に取り込みます。あなたは何者であるかと問われたとき、例えば、「私は常葉大学の学生です」とか、「私は〇〇部の部員です」など、アイデンティティと呼ばれるカテゴリーで自己を定義します。大学やアルバイト先のような普段の生活圏を超えたところに活動の場を持つと、地域コミュニティの一員としての私、市民・県民・国民としての私というように、自身と同一化する範囲が活動の影響の規模に応じて広がります。
地域の人々や自然環境の中に自ら入っていくと、自己の意識が拡大し、まるで自分のことのように大切にできる対象範囲が広がるのです。そして、それは、徳を高めることにも繋がります。徳のある人は、自分だけ得すればいいとか、自分さえよければあとはどうでもいいなどとは考えません。自分のために生きながらも、他のためにも生きることができます。その「他」の部分がどれくらいの範囲なのかが、その人の器の大きさとも言えます。さらに、紙面の関係でここでは詳しく述べられませんが、この「自己カテゴリーの拡大」は、私の研究テーマでもある「意見や価値観における対立の協調的解決」にも役立つのです。
常葉大学の教育理念は「知徳兼備」・「未来志向」・「地域貢献」の3本柱です。一番目に掲げられた理念の中の「徳」の部分をどのように教育していくかについては、三番目の実践にヒントがあると考えられます。今後も、学科の専門性を生かしながら応用力を磨く地域貢献活動を通して、学生達と共に学び、知徳兼備に努めたいと思っています。
はままつハロウィンフェスティバル
(2018年10月27日主催)
はままつフラワーパーク芸術祭
(2024年6月9日主催)
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