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夢の心理学


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夜見る夢の心理学について話します。眠りが深くなると、身体は眠っているのに脳が活動しているレム睡眠状態になります。従来、夢はレム睡眠の時に見られるとされてきました。しかし脳科学の進歩により、夢はレム睡眠以外のいかなる睡眠状態でも、感情が大きく動かされた時に見られることが解明されました。
私たちの心は、自分で自覚できる意識と、自覚できない無意識からできています。精神分析医のフロイトは「夢は無意識への王道である」と述べ、夢は無意識からのメッセージを伝えてくれて、意識と無意識をつなぐ極めて大切なものであるとしています。カウンセリングには、「夢分析」という専門分野があります。
「夢分析」と「夢占い」は全く違います。「夢占い」では占い師が「Aという夢はBという意味だ」と言います。「夢分析」では、Aという夢はB、C、D、…という千の意味があるととらえ、治療者と患者が一緒になって、夢の周りをグルグル回るうちに、「何のためにこの夢は見られたのか」「無意識はこの夢を通して何を言いたかったのか」を明らかにして行きます。
まず、治療者は患者の夢を十分味わい、夢が自分の中にスーッと入ってきて語りかけてくれるように接します。夢に出て来た登場人物を、現実の人物とみると同時に、夢を見た人の人格の一部分とみる主体水準でも捉えます。例えば、故郷を離れて暮らしている人が「お母さんが死んでしまった」夢を見たとしましょう。夢の中のお母さんを現実の母とみたならば、「お母さん大丈夫?」と急遽電話で確かめるでしょう。夢の中のお母さんをその人の中の母なる部分・慈しみ養育する部分とみるならば、自分がビジネスライクに生きていて母なる部分が蝕まれているかもしれないとみます。
夢の心理学は、自分の状態を言葉でなく身体で表現するアスリートが、非常に印象的な夢を見た時、スポーツカウンセラーが適切にかかわることで役立つ場合もあります。

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