図1 シーティングの外観
私の研究分野の一つであるシーティングについて話をしたいと思います。余り聞いた事のない言葉ですよね。シーティングとは、ヒトが椅子や車椅子に座った状態を身体的・社会的に最適化することによって、QOLを向上させることを目的に医療や保健・福祉・工学など様々な立場から提供される活動の総体をいいます。シーティングの外観を図1に示します。車椅子は「座る」、「移動する」、「作業する」ことを補助または支援する機能を併せ持つものです。誰が、何処で、何のために、+αそれぞれの適合を考慮しなければいけません。理学療法士として身体・心理的適合に十分配慮しながらも、それだけに捉われない事が重要だと考えています。福祉サービスを通じて、本人は勿論、家族を中心とした支援チームがその方の「適合」を共有することで最適化され、生活の中で具現化されます。
図2 時間経過による座位姿勢の変化(一例)
次に理想的座位姿勢について考えてみましょう。皆さんはどのような姿勢を想像するでしょうか?多くの方が、図2左に示すような姿勢を思われるかも知れません。しかし、同一姿勢を取り続けることは困難です。重力や足底・座面の硬さ、背もたれの有無等により時間の経過とともに姿勢を変化(座り直し)させます(お尻の位置を変えたり、足を組んだり等)。私は目的や環境に合わせて変えられるのが理想的な座位姿勢だと考えています。臨床では姿勢が崩れたまま座り直しできないことが問題となります。廃用症候群を助長するためです。シーティングでは座位姿勢の目的に合わせた適合を考えていきます。また、理学療法士は座位のバリエーション(構え)を増やしながら身体を抗重力位に起こし、活動的なADLを獲得できるよう支援していきます。
私は理学療法士になって20年弱経ちますが、未だに分からない事が多くあります。難しい事を簡単に説明できるよう意識しながら、臨床での疑問を持ち、検証し最終的に患者さんのためになれればよいと思い、教育・地域貢献・研究活動をしています。
私は理学療法士になって20年弱経ちますが、未だに分からない事が多くあります。難しい事を簡単に説明できるよう意識しながら、臨床での疑問を持ち、検証し最終的に患者さんのためになれればよいと思い、教育・地域貢献・研究活動をしています。
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