グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



「いつもと違う様子」をキャッチしにくい日々


ホーム >  教員コラム >  「いつもと違う様子」をキャッチしにくい日々

私は精神看護学の教員です。精神看護学は、「広く人間の心の健康について学ぶこと、さらには精神疾患(例えばうつ病や統合失調症)を特殊な疾患としてではなく、人間にとっての健康の1つの局面としてとらえる学問1)」と言われています。その一方で“精神”や“こころ”は目に見えないのでイメージしにくい部分がたくさんあります。
私は大学卒業後、精神科病院で働いていました。精神に障がいを持つ患者さんと関わる上で、目に見えない患者さんのこころの状態が悪くならないために、悪くなったとしても早めに対応できるように、私は患者さんに「いつもと違う様子はないか」という視点を大事にしてきました。またこの視点はこころの健康を保つための支援においても必要なことであるため、大学の教員になってからは、大学生や周囲の人たちに「いつもと違う様子がないか」という視点を持ちながら関わっています。
しかし昨年から続くCOVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大によって、私たちの生活は大きく変化しました。さらに感染状況に応じて外出自粛等の対応を求められるなど、変化を求められ続けている状況にあるとも言えます。そのため“いつも”がいつのことなのかわからない状況になり、「いつもと違う様子」をキャッチしにくくなっていると思います。
そんな中、今できることとして、私は2つのことを意識したいと思います。1つ目は周囲の人たちの「いつもと違う様子」をキャッチしにくい状況であることを念頭に置き、今まで以上に少しの変化にも気づけるように意識していきたいと思います。2つ目は私自身が元気でいるためにも、私自身が困ったり悩んだりしたときには、他の人にわかりやすい言葉でSOSを出せるように意識していきたいと思います。

引用文献
1)武井麻子:B.精神看護学とその課題.系統看護学講座 専門分野Ⅱ 精神看護の基礎 精神看護学② 第5版,8,医学書院,東京,2017

ページの先頭へ戻る