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学問の楽しさ〜具体と抽象の往復〜


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「社会科学という学問は、具体と抽象の往復である」。学部2年のとある講義で初めてこの言葉を聞いたとき、なぜか心動かされ、教科書の余白に書き留めたのを覚えています。
私の専門は会計で、研究では①企業のデータを用いた事象の把握、②事象のメカニズムについての理論的な仮説の構築、③データに基づく仮説の検証を行っています。仮説を支持する証拠を得られることだけではなく、当初立てた仮説と異なる結果が得られたときに仮説を再構築する過程で新たな発見を得られることにも楽しさがあります。また授業では、難しいと思われやすい「会計学」に対して、学生に興味をもってもらえるよう、実際の企業の事例を先に紹介してから理論を説明するよう心がけています。新聞記事に目を通しているときや日常生活において、授業の題材となる具体例や、会計の考え方に似たものに遭遇すると知的好奇心が満たされます。このように具体と抽象が結びつくところに、学問の楽しさが存在するのだと思います。

今では会計学にかかわる研究・教育活動を行っていますが、当初は会計に対する苦手意識がありました。先生の人柄に惹かれ、学部2年で財務会計のゼミに入ることになりました。そのゼミでは毎年学内の懸賞論文に応募することが推奨されており、夏休みに大学の図書館にこもり食事を取るのも忘れて論文の作成に注力したことがありました。ある企業の株価水準の妥当性を検討するために、会計・戦略・ファイナンスの各理論を学んだあと、企業の財務データや雑誌記事を収集・分析して論文にまとめました。この活動を通じて、具体と抽象が結びつく楽しさを体験することができました。

これから社会人になる皆さんにとって、社会人生活が充実したものとなるよう、学問の楽しさに気づくきっかけに、大学で出会ってもらえたらと思います。


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