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絵本の研究をしています


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絵本の研究をしています。みなさんご存知の『おおきなかぶ』は、おじいさん、おばあさん、まご、いぬ、ねこ、ねずみが来てかぶを抜くおはなしですが、冒頭のおじいさんはこう言っています。「あまい あまい かぶになれ おおきな おおきな かぶになれ」。「かぶ」の所に「子ども」を入れて読んでみましょう。「あまい あまい かぶ(子ども)になれ おおきな おおきな かぶ(子ども)になれ」。おじいさんの願いの言葉です。また、かぶの値打ちは美味しいということです。言い換えれば「あまい」ということにあります。それから、大きければもっと良いことです。「あまい」「おおきい」というこの順序が大切です。おじいさんの言葉は、どのような子どもを育てるのか、子育ての真実として読めるように思います。
また、絵にも面白い場面があります。ねずみが来て、かぶを抜く場面の絵をよく見ますと、かぶが今にも抜けそうになっています。今までびくともしなかったかぶが抜けそうです。ねずみを見ますと、とても力を込めている姿です。力が弱いと思われているねずみが来て、おおきなかぶが抜けるおはなしだったのです。ここに『おおきなかぶ』の魅力と価値があります。画家の佐藤忠良さんは、おはなしのイメージを広げる絵を描いています。絵による「補足と発展」です。『てぶくろ』や『はじめてのおつかい』の絵本も、絵が絵本の世界のイメージを広げ意味を深めています。絵本の絵を見る楽しみです。


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