本学造形学部で長く教鞭を執り、造形学部長を務めた日比野秀男名誉教授が、研究の集大成となる『渡辺崋山 ─作画と思想─』を中央公論美術出版から上梓しました。日比野先生は日本美術史を専門とし、特に江戸後期の三河田原藩家老で画家・文人であった、渡辺崋山に関する研究の第一人者です。崋山は国宝「鷹見泉石像」を描いた画家として知られています。
今回の著書は、渡辺崋山という、個人の生き方とともに当時の政治状況と強く絡みあって作画し、最期を迎えた特異な画家の、晩年の作画活動と思想とのかかわりの全体像を明らかにし、これまで看過されてきた制作年、最期の遺書の実像など不明の部分を明らかにしたものです。これにより、様式史研究だけでは理解できない、作品の真相に迫る考え方を示し、絵画作品を深く理解する方策の一つを提示しています。
また、日比野先生は今秋の叙勲で旭日双光章を受章しました。これは静岡県文化財保護審議会委員を 1994年から2017年まで23年間務め、その間2期にわたって会長を務め、静岡県の文化財保護に貢献した功績によるもので、地域貢献を掲げる本学にとっても、範となる祝事です。
日比野先生は現在も掛川市二の丸美術館長をはじめ、自治体等の各種委員も務めるなど、ますますご活躍されています。ここに、ご著書の出版と叙勲というふたつの慶事をご報告し、本学からもお祝いを申し上げます。
今回の著書は、渡辺崋山という、個人の生き方とともに当時の政治状況と強く絡みあって作画し、最期を迎えた特異な画家の、晩年の作画活動と思想とのかかわりの全体像を明らかにし、これまで看過されてきた制作年、最期の遺書の実像など不明の部分を明らかにしたものです。これにより、様式史研究だけでは理解できない、作品の真相に迫る考え方を示し、絵画作品を深く理解する方策の一つを提示しています。
また、日比野先生は今秋の叙勲で旭日双光章を受章しました。これは静岡県文化財保護審議会委員を 1994年から2017年まで23年間務め、その間2期にわたって会長を務め、静岡県の文化財保護に貢献した功績によるもので、地域貢献を掲げる本学にとっても、範となる祝事です。
日比野先生は現在も掛川市二の丸美術館長をはじめ、自治体等の各種委員も務めるなど、ますますご活躍されています。ここに、ご著書の出版と叙勲というふたつの慶事をご報告し、本学からもお祝いを申し上げます。
日比野秀男『渡辺崋山 ─作画と思想─』
中央公論美術出版
国宝『鷹見泉石像』
東京国立博物館蔵(部分、同書より)
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